kmd-windorchestra’s diary

吹奏楽指導者(JBA会員)、作編曲者、中学校教諭のブログ(吹奏楽指導、作編曲依頼はメールでご相談を)

大会の1週間前 著作権のお話

 ポプコン東日本大会の1週間前となりました。コンクール1週間前とは言え、活動制限のため練習はありません。今日は、ポプコン関係の事務処理をいくつか終えました。大会にエントリーするだけでも顧問として色々と仕事があります。音楽的な技術指導も大事ですが、スムーズに生徒がステージで演奏できる場をセッティングすることも顧問の大事な仕事です。もし、吹奏楽部の顧問をしたいと思っている人がいたら事務処理能力を磨いておくことも重要かもしれません。やっぱりパソコンは使えたほうがいいし、文章力は高いほうがよいです。

 また、演奏する曲にもよりますが、著作権絡みの手続きも参加団体自らが行う必要があります。これがなかなか複雑でございまして・・・オリジナル作品だったら主催者や演奏団体(自分の中学校ですが…)に許諾書を発行すればよいのですが、アレンジ作品だとそうはいきません。自費出版のような扱いにして、出版にともなう許諾をとります(これがまた複雑で完全には理解できてきません・・・)「J-RAPP」というシステムで申請をすると、「出版利用許諾書」が送られてきます。そこには、どういう条件で楽譜制作をしているのかが、書いてあり許諾番号が付与されています。そして、著作権使用料を払いに行きます。

 

 ということで今日は、ちょっと著作権のお話。

先日、新聞を読んでいたらびっくりしたニュースがありました。

ガーシュインの曲 消滅の著作権が存続へ 兄弟の「共同著作物」に:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 簡単にまとめると兄であるアイラとの共同制作を確認できた337曲について、2022年1月1日からその著作権の管理を再開するそうです。すなわり2053年までは少なくとも保護期間となるわけです。ガーシュウィン作品を取り扱っている方々がお気をつけください。JASRACへの使用料支払い義務が発生します。有名な作品でいえば「サマータイム」や「アイ・ガット・リズム」が該当します。ちなみに私も「アイ・ガット・リズム」を小編成吹奏楽にアレンジして前任校最後の定期演奏会で取り上げました。これからアンコンシーズンなので学校現場の先生が自校のためにアレンジをするという機会が増えていると思います。くれぐれも著作権はよく調べておくようにしましょう。

 もう1つ、タイミングとしては前述の件と同じ時期になりますが、全日本吹奏楽連盟が管理している過去の課題曲の取り扱いが変わります。

kako_toriatsukai.pdf (ajba.or.jp)

 1996年~2007年の課題曲の著作権を順次、作曲者に戻していくそうです。今まで通りの方法で購入したいバンドは今年のうちに吹奏楽連盟を通して購入する必要があります。年が変わると作曲者本人とコンタクトをとらなければならないので場合によっては、「連絡先が分からない」「出版を個人で行っていない」という理由で入手困難になるパターンも予想できます。

 著作権の情報を掴むことも吹奏楽の顧問に求められる資質の1つかもしれません。