指揮法って難しいですよね
吹奏楽指導者になって我流でやってきて、何度も壁にぶち当たります。小学校の先生や中学校・高校の音楽先生も何かと指揮をする機会があると思いますが、ほとんどの方が我流でもがいていらっしゃいます…。ピアノや声楽、その他の楽器を専門にしていても指揮を専門でやっている人なんて音楽の世界でもかなり限られているのが現実です。
教員になってから2年目(指揮者デビューから6年目)に管楽合奏コンテストに出場して「指揮者賞」という恐れ多い賞をいただきました。その時は、どうせだから好き放題やってやろうと指揮台にのぼりました。最高の舞台で演奏できたことは幸せでしたが、そのあとに「停滞」してしまった感じがありました。指揮者は目立つポジションですから「絶賛」されることもあれば「酷評」されることもあります。
そこから地区の指導者研修会で指揮を学んだり、JBAの吹奏楽ゼミナールや指揮法アカデミーに通い始めたりしました。また、県内でもトップレベルの吹奏楽指導者と親しくさせてもらっています。さらに、偶然が引き起こした幸せなのですが、国際的な指揮者コンクールで受賞歴のある方とも年に数度、貴重な音楽談義をする機会もあります。
習い始めてから指揮が少し変わりました。昔の映像と今の映像見比べるとやっぱり違います。変わらない癖もありますが、少しずつ棒裁きは進歩しているのだと思います。でも、棒のテクニック(打点やら図形やら)は深い意味で言えば、最重要視する部分ではないのかもしれません。仮にヘンテコな指揮でもそれによって良い音が出れば、それが良い指揮なんだと思います。曲に対する理解、進むべき方向性、一瞬先にそれを提示して演奏者とコミュニケーションをとることが指揮者としては大事なのだと思います。音世界の代弁者になるということが今、1番の課題と感じております。
3:28からの最初の通し演奏の指揮者(作曲者)の世界観には脱帽です。演奏の内容は課題を多く感じますが、指揮者(作曲者)を見ていて引き込まれます。もちろんそのあとのクリニックの様子も大変、興味深く面白いです。しゃべりも引き込む才能ありですね。
【2016年度 クリニック2】課題曲Ⅲ / ある英雄の記憶 ~ 「虹の国と氷の国」より ※伊藤康英 with Composers