kmd-windorchestra’s diary

吹奏楽指導者(JBA会員)、作編曲者、中学校教諭のブログ(吹奏楽指導、作編曲依頼はメールでご相談を)

質問箱6 指揮について

ちょっと間が空きましたが質問箱のシリーズに行きます。

 

質問

 いつも先生の指揮を拝見していると引き寄せられるものがあります。でも先生は音楽の先生ではありませんが、指揮についても勉強されていますよね? どうやって指揮の技術をあげているのですか。教えてください。(30代吹奏楽部顧問)

 

 下手くそな指揮をお褒めいただき感謝です。音楽を専門に学んだわけではありませんので思いっきり我流でやってきました。そんな私の中で1つ転機となったのは2014年です。生徒に恵まれて管楽合奏コンテストで全国大会に出場しました。夢だった「指揮者賞」をいただいたのですが、自分の中で恐れていたことがありました。それは「停滞すること」です。なんとなく自分の中で分かっていながらも、その後はコンクールの結果ということでいえば芳しくない時期が続きました(コンクール至上主義ではないので、演奏内容には一定の満足はしています)。栄光にすがるのではなく、しっかりと自分を見つめ直さないと吹奏楽指導者として終わってしまうと思ったのです。ある先生の言葉の呪いもあり、20代のうちに何の大会でもいいからもう一度全国大会に行かなければ指導者として身を引いたほうがいいのではないかと思っていました。

 見つめ直す意味で私が選んだのは「習うこと」です。JBA吹奏楽ゼミナール、指揮法アカデミー、地区や県の指導者研修会にとにかく申し込みました。恥ずかしがらずに「入門編」からスタートさせました。DVDなども入手できるものは集めました。音楽には色んな流派みたいなものがあり、「〇〇先生の門下」という肩書を大事にする人たちもいます。それが嫌いだったので、誰かに弟子入りするのではなく幅広く受けることにしました。ある講習会で良いと言われたものが別の場所ではダメだと言われることもあります。指揮法というものは学び取って自分の中で消化しないと意味がないということに気づきました。

 吹奏楽の現場は、指揮を習っていないで指揮台にあがっている先生がほとんどだと思います。私もそうです。講習は受けたが門下生になったわけではないので同じです。良いなと思った人のマネをするのもよし、いいところどりするのもよし。でも、目の前のバンドの音がいい方向に変化したかを感じ取るアンテナが大事です。理屈はよく分からないけれどいい音がすればそれでいいのです。

 吹奏楽コンクールにおいては、指揮は審査の対象外となっていますが審査員からすると「この指揮だからこの音楽」と思われてしまったり「指揮が演奏の邪魔をしてしまっている」と勘付かれてしまったりすることがあります。偉そうなことは言えませんが、小節と頭がしっかりと分かる指揮が何よりだと思います。そのためには予備動作や呼吸がポイントになります。私自身も無駄が多い指揮ですが、昔に比べると削られた部分はかなり多いと思います。JBA吹奏楽ゼミナールでは経験年数や技量合わせていくつかのコースが設定されています。ぜひ、学ぶ気持ちがあれば飛び込んでみてほしいと思います。