kmd-windorchestra’s diary

吹奏楽指導者(JBA会員)、作編曲者、中学校教諭のブログ(吹奏楽指導、作編曲依頼はメールでご相談を)

好きな詩、好きな曲

 今年の合唱祭で歌うクラスの合唱曲が続々と各学年決まってきました。3学年は5クラスのうち、個人的に好きな曲がいくつか選曲されました。合唱というジャンルはド素人なので詳しくないのですが、それでも好きな作編曲家や作詞者はいます。

 

 国語科の授業でもおなじみの詩人である谷川俊太郎さんの作品から「春に」をお隣のクラスが歌います。作曲は木下牧子先生。1981年の吹奏楽コンクール課題曲「序奏とアレグロ」や2006年課題曲の「パルセイション」の作曲者でもあります。商業音楽からは距離を置いてクラシックの世界で芸術性の高い作品を生み出すスタイルを貫いている方です。アウフタクトが多い曲がここまで大ヒットしたのはご本人も驚いていらっしゃいます。私はこの曲を中学の卒業式歌として歌いましたので、そういう意味でも懐かしい。そして以下に引用した演奏が素晴らしい。これは混声四部合唱版ですね。


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 次は同声合唱版。こういう演奏に弱いです…。Youtubeの音楽で泣いてしまう。アゴーギグやダイナミクスも根拠がしっかりとあって発音・発声ともリンクしている。素晴らしい歌声の裏には素晴らしい教育があったのでしょう。どう指導をされているのか知りたいものです。「あしたとあさってが一度にくるといい」あたりから泣きそうになって「その草の上でじっとしていたい」であふれてきます。これは小学生ならではの表現ともいえるでしょう。


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 また別のクラスは「虹」(森山 直太朗 / 御徒町 凧、編曲者:信長 貴富 )を歌います。これはNコン課題曲でした。これもリアルタイムなので懐かしい。6年前に担任をした3-1が歌って合唱祭で最優秀賞を受賞した曲です。クラス数が少ない小規模校でしたが、3年連続で賞を取ったので印象深い曲でした。私が信長貴富先生を初めて知ったのは「虹」の編曲者として・・・でした。今では大好きな作編曲家です。主観100%であげるとすれば第3中学が「ベスト・オブ・虹」です。しなやかさとポップスのビートが見事に融合しています。


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 3年前の卒業式歌で取り上げた「群青」のアレンジも信長先生でした。友人から信長先生がアレンジする前のオリジナルの「群青」と聴き比べるとアレンジの妙技がわかると言われて聴いたところ、そのプロの技に感動を覚えました。さらに知り合いの高校の音楽の先生からは「島唄」のアレンジもすごいと聴いていましたし、鉄腕アトムのアカペラも大好きです。編曲家ではなく作曲家としても、もちろん第一人者です。

 

 大好きな谷川さんの詩に大好きな作曲家の信長さんの曲が合わされば、当然それは名曲になりうるわけです。それが今年の1組の自由曲です。合唱曲に疎い私にこの曲を教えてくれた友人に感謝です。合唱曲で詩を知ったという方も多いと思いますが、私は先に詩を知っていました(一応、普段は国語の先生やっています)。この詩や曲のすごいところは改めて語りたいと思います。

未来へ - 信長貴富「かなしみはあたらしい」より


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