kmd-windorchestra’s diary

吹奏楽指導者(JBA会員)、作編曲者、中学校教諭のブログ(吹奏楽指導、作編曲依頼はメールでご相談を)

ジェネシス 発売決定

 2022年の課題曲Ⅲである「ジェネシス」がブレーンより出版されます。一定期間は全日本吹奏楽連盟著作権保有しますが、その後は作曲者に戻されるため後に再出版されるケースは近年よく見られます。楽譜の詳細、購入などは下記のリンクから確認できます。ちなみに価格は9,900円。

ジェネシス/鈴木英史 吹奏楽楽譜ならブレーン・オンライン・ショップ (brain-shop.net)

特徴は何といってもハイブリッド・スコアという考え方でしょう。

以下、引用

*各楽器何名で演奏しても成り立つ《ハイブリッド・スコア》として書いてあるため、オプション楽器の指定はなく少人数でも問題なく演奏できます。「パート数」ではなく「声部」で考える提案のひとつです


www.youtube.com

 初めてA編成にエントリーして一生懸命に勉強した曲です。でも、新型コロナの影響で吹奏楽コンクールは辞退した夏でした。「ジェネシス」を演奏して学んだことはバンドの力となって翌年の「レトロ」、今年の「メルヘン」へと受け継がれていることは間違いありません。

 「和声リズム」という概念。分析した結果、導かれる根拠のある表現が面白い曲でした。当時は部員の半分が未経験者の1年生でしたから、技術的にどうしてもカバーしきれない部分がたくさんありました。でも、私の合奏を見ていたある先生が後にこんなことを言ってくれて嬉しかったことを思い出しました。ログが残っていたので一部、伏字をしてご紹介します。

 

 ある上位大会で強豪校である○○高校の「ジェネシス」を鑑賞しました。先生の作られた「ジェネシス」のほうが○○高校よりとっても雰囲気が上手にできているのではないと思います。もちろん技術的には高校生のほうが圧倒的に上手ではあるのですが、作曲家の意図を汲み取った音楽づくりができているのではないかと思います。

 だからといって○○高校の先生には申し訳なのですが、先生が○○高校の指導をしたほうが良くなる可能性すら感じます。だからといって本当に引き抜かれたら地元にとっては損失になってしまうのですけれどね…。

 

 「ジェネシス」は、またいつか指揮したい、そんな曲でもあります。きっと今、演奏したらまた違う解釈で表現することになるのだと思います。

 とにもかくにも、楽曲分析が一応、私の得意分野でもあります。今日は、今年の課題曲Ⅲである「メルヘン」の分析をしました。分析というより今まで勉強した内容を復習してまとめなおしました。各種クリニック等で解き明かされた内容を中学生にもわかる言葉に直した資料を作りました。明日からもしばらく休みが続くので資料として部員に配付したいと思います。これを数人の吹奏楽指導者にデータで送ったところ、わりと評判がよく「ウチの学校でも配ってよいか」「どこかの公式文書かと思った」「Youtubeで解説出したらアクセス増えそう」とリアクションがありました。まだまだ解き明かせていない部分がたくさんあるので勉強を続けようと思います。