kmd-windorchestra’s diary

吹奏楽指導者(JBA会員)、作編曲者、中学校教諭のブログ(吹奏楽指導、作編曲依頼はメールでご相談を)

吹奏楽の居場所

 今週も各地でアンサンブルコンテストが開催されていて知り合いの学校から報告の連絡が入ります。多くの学校が新体制で来年度を見据えてエントリーしてくるのがアンサンブルコンテストでもあります。ステージで演奏するまでの間にメンバー同士で想いがすれ違ったり、衝突したり、裏には色々な人間ドラマがあるものです。それは仲が悪いからというわけではなく、複数の人間がひとつのことにエネルギーをかけて取り組もうとしたときに起こり得る普通のことでもあります。それは中学生でも高校生でも同じなんだと感じました。もしかしたら大人のアンサンブルもそうかもしれませんね。

 ここからの1ヶ月は、テストや成績処理、三者面談など本務も忙しい時期になります。その中で定期演奏会ポプコンの準備をします。さらには年明け以降の合同バンドの準備も進め始めます。「忙しい=充実」と考えて素敵な音楽のためにできることをしていくのみです。今の自分自身の吹奏楽への関わり方は充実していて幸せな状態だし、バンドも良い音がしてきています。

 ただ思うことがあって・・・自分の居場所だけ充実していればいいのか・・・欲張りというか、お節介な話かもしれませんが、近隣の高校の吹奏楽部の活動が気になります。精力的に活動している吹奏楽部とそうでない吹奏楽部の二極化がより激しくなっているように感じるのです。軽音部やダンス部の人数が増えて、吹奏楽部の人数が減っているのです。時代の流行りもあるだろうし、お金と時間がかかる側面もあるかもしれません。あまりにも部員数が減ると中学時代の充実感との差が生じてしまって、せっかく高校生になったのにかえってやる気を殺いでしまう。これでは音楽を続けることができません。この危機感に対して行動されている先生もいらっしゃいますが、他にも難しい課題も多いようです。ひと昔前まで活発だった吹奏楽部も「部活として成立するのがやっとの状態」という話も聞きます。そうなってしまうと良い流れに好転させるのに工夫が必要になります。

 部員数が10人前後の高校の吹奏楽部にしっかりと腰を据えて運営、指導していくような携わり方も長い吹奏楽人生の中でいつかやってみたいと考えています。前任校でも今の学校でも着任したときは吹奏楽部としてそんなにしっかりとした状態ではありませんでした。そこから盛り立てていく仕事は私の役割であると考えています。令和8年度の地域移行もそうだけども、中高6年間を見据えた吹奏楽の居場所を作りたいと思っています。