kmd-windorchestra’s diary

吹奏楽指導者(JBA会員)、作編曲者、中学校教諭のブログ(吹奏楽指導、作編曲依頼はメールでご相談を)

新年度ですが現場は疲弊?

  全国各地どこもそうだと思いますが、神奈川県も例外ではありません。教員が不足しています。日本という国が教育にお金をかけてこなかった影響が出ています。さらには世間の教員へ対するニーズが歪んだまま膨張していったことも問題です。

「学校は疲弊」教員不足に歯止めかからず…最多422人 若手PTが教員の増員など求める(カナロコ by 神奈川新聞) - Yahoo!ニュース

 ここ数年、特に教職の現場を離れていってしまう人たちを目の当たりにしてきています。子どもが好きで教職に憧れをもって教員免許を取得したはずなのに…。懐古厨ではありませんが、今の時代は少々、変な方向に進んでしまっているような気がします。

 

長時間労働問題の本質からずれた是正の動き・・・

 

 確かに多忙で残業代が出ない「定額働かせ放題」の現状はあります。しかし、部活動の地域移行が長時間労働の改善だと妄信している有識者が多いのが驚きです。部活動を切り離して多忙感が減るかというとそうではないからです。私の見てきた現場でいえば各種報告書の作成、起案、提出に苦慮している先生が多いように思います。それに時間を吸われて教材研究や子どもと接する時間が減ってしまっています。さらに精神的な負担が大きいのはどうしても人と人のやりとりです。どこの業界でもそうですが、理不尽な要求がまかり通る。経験の浅い先生にとってはつらいことと思います。これだと大学生は教員を目指さないよね…。

 

 部活動のガイドラインが全国各地で強化されます。SNS上でも話題にあがっています。働き方改革だそうですが、子どもが被害を受けていないでしょうか。子どもの居場所を奪ってはいないでしょうか。本当の解決は切り取ってスリムアップを目指すことではありません。

 部活動に関わりたい先生は指導をする、指導をしたくない人はしないという選択ができればよいのです。分業すればいいだけの話なんです。クラスや特別活動だけでは見られない子どもたちの成長を私は見てきています。部活動は学校にそもそも要らないという考えも理屈は理解できますが、子どもたちの成長を見ると意義は大きいと私は考えます。人を増やして、より専門分化していけばいいのです。それだけ人件費を増やせばいいのです。冬のJBA吹奏楽ゼミナールでは学校現場の人だけでなく一般企業の方も参加されていて少しお話をしました。人事担当をしているそうですが、頭が良いとかよりも部活動をしっかり続けたかどうかを見ることがあるそうです。特に吹奏楽部のような集団社会で揉まれている人は適応力が高いとおっしゃっていました。「だから、そういう子を育てる顧問の先生は尊敬しています」と人事担当者の方は私に話してくれました。

 教育にお金をかけることは未来への投資なのです。未来に向けてお金をかけられないということは未来が暗いということ。現行の政権や既存の政党では無理だとあきらめていますが・・・。