kmd-windorchestra’s diary

吹奏楽指導者(JBA会員)、作編曲者、中学校教諭のブログ(吹奏楽指導、作編曲依頼はメールでご相談を)

アンコン2023

 4日(土)5日(日)の2日間で県央アンサンブルコンテストが開催されました。中学校の部は2日間にわたって開催されていて本校吹奏楽部2チームは、1日目の演奏でした。管楽7重奏チームはトップバッター、打楽器5重奏チームはラストという貴重な組み合わせとなりました。地元開催のアンコンですから学区の中学校らしい出演順とも言えるでしょう。

 アンコンでは出場する生徒に合わせて曲を書くのが本校のスタイル。今年度も夏に書き上げた拙作を部員が取り組みました。打楽器アンサンブルは4年連続、管楽アンサンブルも2年連続でオリジナル作品を書いています。(それまではバルトークホルストの作品をアレンジしていました。)

 改めて今回初演した作品を紹介します。どちらも「ロスト・シャングリラ」というシリーズからです。

管楽7重奏

Fl①、Fl②、B♭Cla①、B♭Cla②、Bs.Cla、Hrn、Euph

行間のエネルゲイア…この世に模範解答はない「ロスト・シャングリラ」より

 前作の「第5のエンテレケイアは手の中に」の続編の位置づけです。前作同様にベースラインがカッコイイこと、ソロラッシュ(ソロを交代でつないでいく)があることがコンセプトです。タイトルに意味は全くありません。「エネルゲイア」これは哲学用語で「可能性を実現させた段階」を示し「エンテレケイア」は「完成された現実性」を示します。

 

打楽器5重奏

①Xylo(T.Block)、②Vib、③Mari(W.Block)、④Timp、⑤S.D(R.Cym)

ゴルディロックスの原理に抗う鼓動 「ロスト・シャングリラ」より

 こちらも前作「百術千慮」の続編です。「ゴルディロックスの原理」とは「3つあると無難な真ん中を選びがち」という心理状況を示します。アップテンポなところは「3拍子」ですが、「8分の6拍子」も所々に入ってきます。さらにはアクセントの位置でどちらとも言えない拍子も出てきます。3つの拍からなる拍子が割り切れたり割り切れなかったりする…強いて言えばそれがコンセプトです。とはいえ、タイトルに意味はありませんが…。

 先ほど表彰式(学校事情で本校は欠席)が終わって吹奏楽連盟のウェブサイトが結果が発表されました。驚いたことに管楽7重奏、打楽器5重奏どちらも「金賞」を受賞することができました。県大会への推薦とはなりませんでしたので、いわゆる「ダメ金」と呼ばれるものですが素晴らしいことです。3週間前にメンバーのほとんどがインフルエンザになって練習どころではない、先週はポピュラーステージ吹奏楽コンクール東日本大会があって練習していない、そんな中でした限られた時間を苦労ながら頑張ったご褒美だと思います。本校吹奏楽部としても初のダブル金賞ですし、私にとっても初のことです。オリジナル曲で挑んでいるので冷や冷やなのです…。

2023年度県央アンサンブルコンテスト (coocan.jp)

 うちの編成に合わせて作った曲ですから需要があるとは到底思えませんが、そのうち初演の音源を公開して楽譜の無料提供も始めたいと思います。興味のある方は個別に問い合わせいただければと思います。