kmd-windorchestra’s diary

吹奏楽指導者(JBA会員)、作編曲者、中学校教諭のブログ(吹奏楽指導、作編曲依頼はメールでご相談を)

地域と吹奏楽の個人的構想

 吹奏楽部と地域とのつながりについて以前から思っていることを書き連ねていこうと思います。地域でのイベント、自治体主催の行事などで吹奏楽部に演奏依頼が入ることは全国各地できっと繰り広げられていることと思います。私自身、約15年間吹奏楽部の指導に携わっているので私も色々な行事に参加させてもらってきました。

 新型コロナの対策でそれが一度リセットされたことや部活動の地域移行が今後されていく中で地域密着型の吹奏楽部の在り方が問われているようにも思えます。個人的にもっと広がってほしいのは、民間企業とのつながりです。市区町村、各種教育施設、福祉施設だけでなく、もっと身近な民間の商業施設とのコラボレーションが盛んに行われれば、互いに良い影響(WINWINの関係)が出るのではないでしょうか。

 例えば、映画「スウィングガールズ」の中でもあったようなスーパーでの演奏です。スーパーやコンビニ、飲食店、ファストフード店、100円ショップ、ドラッグストア、道の駅、ショッピングモールなどで中高生が演奏をするのです。店舗の中が理想ですが、そうでなくとも駐車場の一角をお借りして演奏をするのです。営業に大きな支障が出ない範囲の時間を決めて臨時のステージを作ります。臨時のステージと言っても特別な物品の準備はいらないのです。確保できるスペースに合わせて、演奏人数や使用する楽器の種類も調整します。合奏でなくてもソロやアンサンブルでも良いわけです。

 中高生が演奏することは各種SNSで発信をします。事業所からすれば教育活動への貢献のアピールにもなります。吹奏楽部員の保護者は理解のある応援団ばかりですのできっと多くの方が足を運んでくれます。地元のお店なら、なおさら買い物や外食ついでに家族総出で来やすいメリットもあります。強制力はありませんが、店頭まで足を運ぶ観客の多くのはお店に寄るのではないでしょうか。現地まで足を運ぶと自然とそこで買い物する心理ってありますよね(コンビニでトイレを借りたら絶対ではないのに、何か買わなきゃ…といった精神)。プログラムと一緒にチラシやクーポン券を配付したり、店舗のSNSのフォローや専用アプリのDLを促したり、前述の映画のようにタイムセールをしたり、事業所側としては経費をかけずに店舗のPRができます(売り上げもあがる?)。

 地元なので卒業生がアルバイトをしているケースもあるでしょう。そしたら、その卒業生も演奏に飛び入り参加します。何ならパート従業員、正社員の中にも吹奏楽経験者がいるかもしれません(日本は吹奏楽大国なので潜在的楽器経験者が多い)。たとえばアンコールの宝島で一緒に演奏するようなプログラムを企画します。そういう経験があれば、日を改めて部員がそのお店に行った時に「一緒に宝島を演奏した人だ」となるし、従業員さんも「〇〇の吹奏楽部の生徒さんだ」と顔見知りになれるのです。地元ならではだと思います。将来の従業員になるかもしれません。長い目で見れば人材確保です。

 企業様からすれば吹奏楽部を呼ぶというのはコストがかかるイメージがあるかもしれませんが、私のイメージからすると場所の確保(ステージと客席)だけでOKです。あとは音が出せる環境であるか、という別の問題がありますけどね。ストリートピアノが相次いで撤去される世の中ですからね…。

 吹奏楽部サイドからすると、地域で演奏する機会というのは特に大事です。たった30分のステージでも遠征をして地域の方の前で演奏することは成長にもつながります。特定の企業に肩入れするわけでもないですし、地域に開かれた学校というのは昨今の教育課題の1つでもあります。

 今まで市のクリスマスイベント、小学校、少年野球の開会式、老人ホーム、自治会の運動会、海外オケの来日歓迎イベント、保育園など様々な場所で演奏をしてきました。でも、こういう民間企業様とのコラボレーション企画は経験がありません。すでに積極的に取り組まれているバンドも日本各地にはあるかもしれませんが、本市ではなかなか聞いたことがありません。私は民間企業経験ゼロですから見落としている部分があるかもしれませんが、発想としては悪くないと思っています。読者の皆様はどう思われますか。