kmd-windorchestra’s diary

吹奏楽指導者(JBA会員)、作編曲者、中学校教諭のブログ(吹奏楽指導、作編曲依頼はメールでご相談を)

新天地での「Takarajima」

 12月に開催予定の本校吹奏楽部の定期演奏会で「宝島(真島アレンジ)」を演奏します。3年生の曲のセレクトが素晴らしい。吹奏楽の定番曲(アレンジ作品でありながら)として名高い「宝島」です。

 NSBに革命をもたらした真島先生が編曲をした「宝島」ですが、違うバージョンがあることは吹奏楽ファンでも知らない人がいます。真島先生自らがリアレンジした小中編成版です。こちらの楽譜はアトリエ・エムから出版されています。

https://www.atelierm.net/catalog/detail/code/TM0127S

 この楽譜のいいところは、ソロの楽譜が色々ついてくるというところにあります。本来、アドリブソロは自分で考えるべきものですが、中高の現場ではガイドとなる手本がほしいものです。コードだけが載っている楽譜もあるのが嬉しいポイントです。今回は、こちらの楽譜を購入しました。今はサイトが見れませんが、某コンテストの課題曲でもあります。

 吹奏楽版の「宝島」といえば吹奏楽ポップスのド定番です。自分自身は、中高生の現役時代に一度も演奏したことがないのですが、指揮者になってからは何度も演奏しています。自分のバンドで演奏するのはもちろん、合同バンドでも取り上げたり、厚かましいながらも他団体の宝島を振ったりしました。

 よその団体が「今度、演奏会で宝島やるんだけど合奏しにきて」みたいな依頼をよく受けてました。ポップスに対しては、かなりのこだわりを持って演奏活動をしていたこともあって(自称:ポップスは専売特許)声がかかったわけです。

 昨年度、所属する団体が変わってからまだちゃんとポップスをやっていないので「宝島」をレパートリーにあげることは本校にとってもプラスになると考えています。まっさらな状況からポップス特有の合奏をして曲を仕上げていく作業は楽しみでもあります。この様子を動画に記録しようと計画中でもあります。コロナ禍の秋冬に指導者研修会が開きにくいということである吹奏楽指導者から提案されました。

 宝島は、盛り上がる楽しい曲であることは間違いないのですが、金管のリフが終わった後のサビになると個人的には悲しさを感じます…。楽しい時間が終わってしまう悲しさと言ったら良いのでしょうか。単純なリピートですから、サビ始まりのコード進行は全く変わらず「F△7→Am7→Dm7→Cm7→F7 13」となっているのに2回目が切なく聴こえてしまうのです。この感じに共感してくれる人に出会ったことがないのですが、初めて宝島を指揮したときから今もそれは変わっていません。多分、合奏でもこの話はすることになると思います…。字数が1100字を超えたので、また宝島については練習が進む中でブログにおいても語ろうと思います。

 

 「宝島」の演奏はいくらでもネット上に出てきますが、さきほど話題にあげた後半のリピート部分で一味違うことをしている演奏が「ぱんだWO」の演奏です。コメント欄にもありますが、ホルンがものすごいことになっています。アフリカン・シンフォニー、ウルトラ大行進、スクーティン・オン・ハードロックなどを彷彿させる凄まじいグリッサンドとなっています。ハイDを通り越してなんとハイFで演奏しています。こういう楽譜からはみ出す演奏はわりと大好物です。


宝島