kmd-windorchestra’s diary

吹奏楽指導者(JBA会員)、作編曲者、中学校教諭のブログ(吹奏楽指導、作編曲依頼はメールでご相談を)

管楽器の基礎=息を吸う&吐く

 こちらのブログに乗り換えて数カ月が経ちました。さすがネット時代。なんとこんなブログにもアクセスがあるわけでございます。わざわざ読んでくれている方がいます。吹奏楽指導者だけでなく、それこそ中高生が呼んで練習の参考にしてくれたらありがたいことです。

 新年度に向けてこの冬の時期は各バンドが基礎力を上げていく時期ではないでしょうか。打楽器やコントラバスを除いて吹奏楽のほとんどを占めているのが管楽器になります。管楽器のコツをつかむには「息」が大事です。自分自身もTubaをやっていたころある程度、口の形を覚えたころ上達せずに停滞していました・・・(中1冬~中2秋)。そのスランプを脱したのは、今思えば息の使い方が上達のがきっかけだったように思います。

 吹奏楽の指導者になって本を読みあさったり、講習会に出かけたりする中でたくさんの呼吸法に関する情報を取り入れてきました。本の数だけ「〇〇呼吸」ってある気がします。ちょうど世間では『鬼滅の刃』が流行っているからトークのネタにはなりますけどね。

 中1のときに先輩に「腹式呼吸できないと肺に穴が開くよ」と言われました。

 あと肩が上がったら怒られました。

 

 今、この2つを見直してみると間違いなのです。中学生ならではの間違った情報ということになります。管楽器をやって気胸になることはないです。また肺の上部に息が入ると肩が上がることはあります。

 さて、結論から申し上げますと従来から言われていた「腹式呼吸」は管楽器をやる上でベースになることは間違いありません。しかし、これだけでは管楽器を鳴らすには十分な息は供給できないと考えてよいでしょう。それは『JBCバンドスタディ』にも記述されています。あえて分類するならば上部呼吸(胸式呼吸)と下部呼吸(腹式呼吸)に分かれると思いますが、これを合わせた「全式呼吸」が管楽器には適しています。バジル先生が、かなり分かりやすくこれを本でまとめていますね。

 それから肺活量はあったほうがいいけど、それより大事なのは速い息を出す技術、一気に大量に出す技術です。非日常的な息圧を瞬間的にかけられると管楽器の演奏に役立ちます。

 このあたりの練習を楽しくやるのが甘粕先生のレッスンです。

DVDで発売されていて指導者だけでなく中高生が一緒に見るのもいいですね。

甘粕先生のだれにでもできる吹奏楽~自分の先生は自分!~

https://www.japanlaim.co.jp/fs/jplm/gd8596

 

 私もこのDVDは活用しました。また、甘粕先生の合奏指導はJBA吹奏楽ゼミナールで何度も勉強させてもらいました。自分なりに今まで学んできたことと織り交ぜて中学生用にアレンジして指導しています。うちのバンドではもちろん、最近では市内の合同練習でもレクチャーしました。

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 「基礎練習は、つらいもの」という根性論や長時間の練習は時代遅れです。「楽しく、短時間で、効率よく」をモットーに基礎練習をしています。もう少しこの練習したいっていうくらいがちょうどよいかもしれません。ただしい理論と方法論をレクチャーすれば初心者でも練習ができます。

 もし、ご興味のある方がいらっしゃいましたら、一度本校の練習を見にいらしてください。または、合同練習でもよいでしょう。あるいは、私がそちらに伺って指導するというのもありです。ガイドラインが施行された中、指導者同士交流して知恵を出し合って吹奏楽を学んでいきましょう。質問なども受け付けていますのでお気軽に!