kmd-windorchestra’s diary

吹奏楽指導者(JBA会員)、作編曲者、中学校教諭のブログ(吹奏楽指導、作編曲依頼はメールでご相談を)

小編成吹奏楽に思うこと コンクール&フレックス

 中1で吹奏楽を初めて3年間小編成のコンクールに出場しました。大編成の部門に出たいと進学するもその年から小編成部門への出場となりました。高2のとき、コンクールで成果を上げたことをあり翌年は部員急増。最後の最後にやっと大編成の部門に出場することができました。指揮者として活動するようになってからは10年以上経ちますが地元で活動していることもあり小編成バンドで指揮をとりつづけています。

 小編成バンドに軸をおいて演奏活動をしていて感じることがあります。小編成バンドのほうが団体の絶対数が多いのに光が当たっていないということです。今でこそ出版社が母体数の多さに目を付けて作品が増えました。しかし、小編成バンドをとりまく環境には課題が山積しています。

 まずは「コンクール」です。日本の吹奏楽はコンクールの歴史とともにあります。これだけ演奏の水準が高まったことは間違いなくコンクールの影響です。吹奏楽コンクールで言えば小編成部門が開設され、目標の1つとなっています。大編成の部門では全国大会があるのにかかわらず小編成の部門にはなく、支部大会までとなっています。東日本の地域については、光が当てられて東日本大会が設けられています。あくまで東日本大会なので全国大会ではありません。そういった中では日本管楽合奏コンテストは小編成にスポットを当てているように思えます。全国大会があること、小編成をA部門としていること、S部門が新設されたことなどが挙げられます。ただし、一部の人からは吹奏楽コンクールがメジャーで管楽はマイナーな大会と言われている悲しい現実もあるわけです。

 個人的なことですが、昨年の4月に新しい中学校に着任しました。そのバンドは今15名程度のバンドです。コンクールそのものは好きではない立場ですが「このバンドを全国大会に出場できるバンドにする」と時折わざと発言しています。その全国大会は、管楽合奏コンテストを意味していますが、いつか吹奏楽コンクールの方でも全国大会が開催される日がくることを願っています。おそらく20・30代が、吹奏楽連盟、教委、学校内などで要職に就いたときの課題と思っています。

 

 次は「フレックス」の楽譜です。私の感覚で言うと5年くらい前からフレックスの楽譜が多く出版されるようになりました。私の指導レベルの低さもありますが、フレックスの楽譜を演奏して良い音が響いた経験がほとんどありません。4,000円くらいお金を出して買うのですが、なんだか損をした気分になることさえありません。人数の多い、少ないに関わらず演奏できるのがフレックスの便利でうれしいところです。しかし、パート割に十分注意をすること、振り分けてからも楽器の特性を見直して音の重ね方は十分に配慮しながら合奏しなければなりません。さらに残念なこととしては「よろしくない編曲」も存在しています。そういった意味で当たりはずれの大きい楽譜なのです。あるプロ作編曲家に話を伺ったところ、フレックスの依頼が来たそうですが断ったそうです。どの楽器でもよく響くオーケストレーションはありえないから書けないと宣言したとのこと…。まだ5年とちょっとくらいしか経っていないので見直しに入る時期かもしれません。アメリカの某出版社は、フレックスの楽譜を出す際は慎重に内容を精査しています。出版のスピードは日本のように流行りの曲をバンバン出すということは当然できませんが、外れは少ないように感じます。とにかく要注意です!

 私の場合は、1管編成でアレンジすること多くなりました。各楽器1パートで書くと10人程度で演奏できる楽譜になります。思いのほか、これがよく鳴ります。各楽器のよく鳴る音域や特性をピンポイントで調整しつつ、生徒の顔を思い浮かべて楽譜を書くのが日課になっています。