kmd-windorchestra’s diary

吹奏楽指導者(JBA会員)、作編曲者、中学校教諭のブログ(吹奏楽指導、作編曲依頼はメールでご相談を)

 JBA第38回吹奏楽ゼミナール(名古屋音楽大学)

 少し前のことになりますが、自分自身の復習の意味もこめてゼミナールで学んだことをまとめておきたいと思います。日本吹奏楽指導者協会(JBA)が主催している吹奏楽ゼミナールに12月28日~30日まで参加してきました。今回で3回目のゼミナールとなります。今年は上級コースを受講しましたが、一部の講座については中級を聴講しました。

 1日目は、名古屋音楽大学シンフォニックウインズをモデルバンドにA.リード作曲のアルメニアンダンスパート1の合奏クリニックを聴講しました。講師は汐澤先生です。クリニック後は、上級コース受講者による指揮法のレッスンでした。右手と左手の使い分けがうまくできずに無駄な動きになってしまうことが我々教職員は多いと改めて感じました。モデルバンドのフルートとアルトサックスの音がとても良い音で、ずっと聴いていたくなるような音でした。去年いた笑顔が素敵なオーボエの学生さんはいなかったので卒業したのかもしれませんね。指揮をふる基本位置を高めすることなどを学びました。

 その次は、杉本先生の「簡単なメロディーをアレンジしよう」の講座に参加しました。杉本先生には、選択のゼミナールでお話を伺ったことがあります。演奏依頼がきて「浜辺の歌」をアレンジするとしたら・・・という設定でした。実はこのパターンは私の場合によくあるのでありがたい場面設定でした。いきなりアレンジではなく、ピアノ譜から徐々にアンサンブル譜へリメイクしていくというものでした。普段から編曲をしている身としては簡単な部分もありましたが、杉本先生がアレンジで注意されていることは自分も気を付けなければならないこととして再確認できました。「このアレンジには欠陥がある」という課題が提示されましたが、おかげさまですぐに気づいて答えることができました。 

 初日の最後は、選択講座で毎年、お話を伺わせていただいている馬場先生の講座を受けました。今年度は、全国大会で金賞を受賞した片倉高校ですが、昨年は都大会で代表に選ばれることはありませんでした。いわゆる「全国バンド」でも絶対はありえないし、ひとりの顧問として私たちと同じように奮闘されていました。なかなか馬場先生のように思い切った運営ができない部分もありますが、同じ国語科として毎年、刺激と勇気とヒントをいただいています。

 2日目は、憧れている鈴木英史先生の編曲法を受けに行きました。上級コースの講座ではありませんが、個人的には今年の本命講座と位置付けています。スウェアリンジェンのロマネスクのスコアを読み解くという内容が主でした。優れた作品のスコアを勉強することが自分で曲を書くうえでも大切だと学びました。とかくスウェアリンジェンの作品は「簡単でつまらない」「古い」「初心者向けだ」というレッテルがはられているような気がしてなりません…。意外とメロディーを担当する楽器を重ねすぎなくてもオーケストレーションをしっかりすればメロディーはしっかりと浮き出てくることを学びました。このあたりが近年の吹奏楽コンクール課題曲と違うところです。すぐにアルトサックス、トランペット、B♭クラリネットを全部重ねてずっと演奏させようとしてしまいます。これには自分も反省です。

 午後は、名古屋市立植田中学校をモデルバンドに甘粕先生のバンドトレーニング法からスタートしました。今年で3年連続、甘粕先生の指導を勉強させてもらっています。それにDVDも見て勉強しています。なんといっても指示の出し方や中学生の乗せ方が上手で参考になります。そのあとは同じモデルバンドで井上先生によるポップス講座でした。フレックスの楽譜を使用する際の注意事項も混ぜながら、こちらも楽しい講座となりました。今さらポップスを学ぶ必要があるのか・・・と言われてしまいそうですが、確かに私は吹奏楽ポップスが得意で専売特許みたいにしている部分があります。ただ改めて方向性の確認をすることはとても大切だと考えます。2日目の最後は、上田先生によるトランペットの金管指導法の講座を受けました。トランペットには、あまりプレッシャーをかけちゃいけないと学びました。

 3日目は、秋山先生の特別講座からスタートです。吹奏楽の歴史を貴重な音源とともに振り返る1時間となりました。その後は選択のゼミナールで、2日目の講師でもある井上先生の講座を受けました。井上先生は、私がJBAに入会するときに推薦してくださった大恩ある先生です。現在はJBAの副会長を務めていらっしゃいます。小編成バンドに関する講座でフレックスの楽譜の使い方や少人数だからこそできる練習方法などを学びました。後半はJUSTYを使った練習法の紹介もありました。昨年度からJUSTYを取り入れたアンブッシュアチェックなどをしているので、このあたりは今の指導の再確認ができてよかったです。

 受講したすべての講座について書いているわけではありませんが、毎年のことながら内容の濃い3日間となりました。部活の指導をするときに、あれもしたい、これもしたいというやる気が満ち溢れてきます。JBA吹奏楽ゼミナールのDMが毎年学校にくるけど敷居が高い、どういうものか分からない、私には無理かな・・・などと思っているかたがもし本稿を読んでいたら1つだけ言いたいのが「迷ったら参加してみて!」ということです。音大に行くということがすごいアカデミックなことだと感じるかもしれませんが、コースが細かく分かれているので大丈夫です。そして、ゼミナールでの出会いも吹奏楽をやるうえではプラスになるはずです。よかったら第39回ゼミナールに参加してほしいと思います。私はすっかりリピーターなので結婚でもしないかぎり通い続けようと思います。

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