kmd-windorchestra’s diary

吹奏楽指導者(JBA会員)、作編曲者、中学校教諭のブログ(吹奏楽指導、作編曲依頼はメールでご相談を)

コンクールシーズン到来

 期末テストが昨日終わってコンクール曲の合奏を久々に行いました。おおよそ1ヶ月後が吹奏楽コンクールになるわけですが、部活動改革によるガイドライン強化、三者面談などで私自身が吹奏楽指導できる時間は例年の半分くらいになると思われます。

 久々のコンクール曲は、いい意味でも悪い意味でもリセットされたサウンドでした。こういうときは録音を分析するのに限ります。毎週末恒例の録音データを関係者同士で送りあうわけですが、コンクールの視点でいえば手厳しい意見もいただきます。特に課題曲の「メルヘン」では「できていないところ」「隙があるところ」などの弱点が露見しています。課題曲ができていなくて自由曲どころではないのです。私自身の表現したい「メルヘン」の20%弱ほどしかできていません。もっと時間をかけて色々伝えたいし、練習もさせてあげたいけれど時短の波に流されているのかもしれません。この環境に吹奏楽部として吹奏楽指導者として適応しなければなりません。週11時間の練習でも全国大会で素晴らしい演奏をする中学生はいるわけです。誤解のないように記しておきますが、私は吹奏楽コンクールに対して結果を求めるようなスタンスで指導をしていません。金賞と認められればうれしいですけど…。上位大会の金賞や名演と呼ばれる演奏に共通するのが何ごとにも代えがたい「幸せな時間」があることです。生の音楽で素晴らしい瞬間を子どもたちと体感出来たら最高なのです。その瞬間を子どもたちにも味わってほしいから指導するのです。

 コンクールシーズンらしい時期になってきました。これもまた日本独自の吹奏楽文化の良いところであり悪いところでもあります。本校吹奏楽部は、そんなことはないと断言できますが、外部指導者に毒されている吹奏楽現場もあります。昭和~平成型の言動や時間感覚は辞めていただきたい。外部指導者は、あくまでサポート役です。先生や学校へのリスペクトは忘れないでほしい。コンクールといえば、金賞をとって上位大会に進む代表校がクローズアップされがちですが、吹奏楽人口でいえばそうでない人のほうが圧倒的に多いわけです。本校吹奏楽部も含めてそういった学校の吹奏楽指導者も奮闘されていて、悩み苦しむ時期でもあるのです。子どもたちに、音楽に、必死に人生削って向き合っている先生たちのことは外から見えません。世間に知られる必要はないのですが、バンド関係者には分かっておいてもらいたいところです。吹奏楽指導者は、わりと孤独なんです。弱音を吐く相手もいない…という方も多いと思います。さきほどもベテランの先生から電話がありました。私より多くの場数を経験されている先生でも大変なご苦労をされているわけです。私自身も悔しい想いをしたり、弱音を吐くことが年に1、2回あります(笑)。だいぶ年下の外部指導者にはそういう面で助けられているのが本校吹奏楽部のパターンかな・・・。

 

 音楽好きならば、「のだめカンタービレ二ノ宮知子)」を知っている方も多いかと思います。その中にあるのだめちゃんの言葉が今の時期に刺さります。前後の文脈は省略しますが、とても考えさせられるセリフだと思います。

 

なんでそこまでして勉強しなきゃいけないんですか?

自由に楽しくピアノを弾いて、なにが悪いんですか!?

 

『のだめカンタービレ(9)』(二ノ宮 知子)|講談社コミックプラス (kodansha.co.jp)