kmd-windorchestra’s diary

吹奏楽指導者(JBA会員)、作編曲者、中学校教諭のブログ(吹奏楽指導、作編曲依頼はメールでご相談を)

まさに青春の音

 今日は、神奈川県内でもトップレベルの相模女子中高の定期演奏会に出かけました。仕事のスケジュールの関係上、第1部しか鑑賞できなかったのが残念でしたが、本校吹奏楽部の卒業生も活躍しており、直接その姿を見られたのは良かったです。

 私学ということもあり保護者会のバックアップ体制がすごいことになっています。受付、場内、場外整備なども保護者会が動いていました。まさに応援団です。スタッフの一員として演奏会を作っている様子。これはこれで一緒に盛り上がれる良さがあります。ただ、個人的には保護者こそ「1番のお客様」であってほしいので本校吹奏楽部の場合は、演奏会の運営面のお手伝いはお断りしています。その分、卒業生や某シンフォニーのメンバーが働きますけど…。

 今日のコンサートのように入場整理券を持って一般客として並ぶからこそこういった裏方のサポートに触れて勉強することができます(良くも悪くもコンサートの種類によっては、「特別扱い」されて通されることもしばしばあります…)。こういうときは「先生」「指揮者」「作編曲者」という肩書を無しに1人の「吹奏楽ファン」として楽しみたいのです。

 演奏の方は、バンドディレクターの関井先生の軽やかな指揮によって清々しいサウンドが響いていました。B編成の最上位大会である東日本大会で2年連続金賞のサウンドはお見事なものです。今年からA編成にチャレンジされるとのことで課題曲から始まるコンサートでした。やはりこういう実力のあるバンドこそA編成に出てほしい。相模原支部は県内トップレベルの高校がひしめき合う地区ですが、そこに相模女子がどのように切り込んでいくのか、今年のコンクールが楽しみです。B編成からA編成に移行する全てのバンドに勇気を与える団体であると思います。

 3曲目には人気曲の「さくらのうた」が、作曲家の福田洋介先生を客演指揮に迎えての演奏でした。作曲家自らの指揮で演奏できる素晴らしい体験をできる中高生がうらやましい限りです。やっぱり指揮者が変わるとサウンドが変化します。なんというか音の1つ1つの密度が濃くなったような響きがありました。

 演奏後には関井先生と福田先生の対談が少々ありました。そこで福田先生が「青春のつまった音」という表現をされていました。大人になっても楽器は吹けるけれど、この高校生という時期に同じ年代が集まるからこそ出せる音がある・・・そんな話をされていました。すごく良いお話というか私自身もそれを感じてきてはいたものの言葉にしたことがなかったのでスッと自分の中に入ってきました。

 自分自身、技術的には未熟である中学生のバンドを主体に指揮を続けている理由はそこにあるのかもしれません。長く楽器をやっていれば当然上手になってきて演奏のクオリティも上がっていくと思います。でも、未熟であっても「青春」が詰まっていると感動しちゃうんですよね。

 あんまりこれについて語ると「オジサンくさくなる」のでこの辺で・・・。