kmd-windorchestra’s diary

吹奏楽指導者(JBA会員)、作編曲者、中学校教諭のブログ(吹奏楽指導、作編曲依頼はメールでご相談を)

第39回JBA吹奏楽ゼミナール(オンライン)1日目

公益社団法人 日本吹奏楽指導者協会(JBA) (jba-honbu.or.jp)

 年末恒例のJBA吹奏楽ゼミナールです。コロナ禍ということで昨年に引き続き、オンライン形式(zoom)での開催となります。全国から60名ほどの吹奏楽指導者が集まっての勉強会となりました。10:30~15:50まで間に3つの講座が設定されていました。入門編となっていますが、国内の第一線で活躍されている講師陣からのレクチャーは勉強になります。今日の3つの講座について復習を兼ねて簡単にまとめておきたいと思います。

 

特別講座(秋山紀夫 先生)

 薩摩バンドが当時演奏したレパートリーについての講演でした。フェントン作曲の初代君が代以外に演奏されていた曲が、横浜発行の英字新聞(「THE FAR EAST」)に記載されていたという事実が判明していたそうです。

古きガリア人の衣装(ジョン・レイド将軍 作曲)

リンカンシャーの密猟者(イングランド民謡)

 これら2曲の蘇演の様子を動画で視聴しました。演奏は、名古屋音楽大学シンフォニックウインズ(橋本の指揮)によるものでした。日本の吹奏楽の歴史を追体験できた貴重な講義でした。なお、秋山先生のご著書が1月に発刊されるそうですので、ここでも紹介しておきたいと思います。その名も

吹奏楽 昭和の資料集』~吹奏楽の歩み: 初期から成熟期にかけて~

秋山紀夫著 (A4サイズ、約250ページ、税込2,860円)』

akiyamasyoseki.JPG (908×1280) (jba-honbu.or.jp)

 なんと今回のゼミナール受講者には特別にプレゼントされるということで年明け以降、じっくりと読んで吹奏楽の歴史に想いを馳せていきたいと思います。

 

指揮法入門(川本統脩 先生)

 去年が「叩き」が中心だったので今年は「しゃくい」について触れられていました。ホルストの第1組曲の第1楽章、第2組曲の第3楽章、リンカンシャーの花束より第6曲などを例に挙げながらの講義でした。オンライン上でのレッスンは、なかなか難しいものがありますが、カメラで自分をつねにモニタリングできるのはメリットかもしれませんね。第2組曲の第3楽章は、アンサンブルコンテストで今年度、取り上げた曲でもあるので特に身体に染み付いていて不思議な感覚でした。

 

コードネーム入門(杉本幸一 先生)

 杉本先生によるコードネームや楽典の講義はゼミナールで何度か受講させてもらっています。コードネームが分かると「時間短縮」につながるというメッセージは、まさにこれからの吹奏楽指導の1つのポイントになります。横流れや声部の役割を理解することで「うまく響かない」という状況が改善されます。音程感やピッチがいくら整ってきても役割をしっかりと認識して演奏しないと響きはよくなりません。得た知識をどうやってバンド指導に活かすかが問われることになります。

 また、ルートをベースラインに担当させたときにはハーモニーを受け持つパートが必ずしも第1音や第5音を演奏しなくても和音らしさは出るという話もありました。オーケストレーションにも関わることですから一概には言い切れない部分もありますが、アレンジをする上でも参考になるお話でした。

 明日は、鈴木英史先生、橋本眞介先生、そして井上学先生による講座とこれまた豪華な講師陣です。指導者のレベル以上にバンドは育たないと言われているので、私自身がレベルアップして3学期を迎えたいと思います。