kmd-windorchestra’s diary

吹奏楽指導者(JBA会員)、作編曲者、中学校教諭のブログ(吹奏楽指導、作編曲依頼はメールでご相談を)

学力検査(国語科)を解いてみた

 今日は、学力検査でした。クラスの子から「先生は、明日何をしているの?」と昨日の帰り際に聞かれたので教師の一日をほんの一部ですが、書いておきたいと思います。

朝は電話対応(トラブルなく入試に向かっているのか電話が鳴るたびにドキドキ…)

私立組が登校しているの朝読書&朝のHR(数人しかいないが、公立組へパワーを送る)

公立結果発表後の動きの確認(併願している私立の辞退届など手続きの有無)

私立の2次募集の確認(公立一本の生徒がいるため…万が一に備える)

中高連携のための「キャリアパスポート」の準備

公立追検査の確認

小中連携のための新年度体制の準備(もう、次の新1年生の準備も…)

合い間を使って部活動予定表作成…

1、2学年の学年末テストの問題を解いてコメントをする

3学年用の学年末テストの問題を作る

夕方は出張(市内の国語科の先生集合、情報交換)

 

 そして、帰宅後ネット上に今日の学力検査の問題がアップされていたので、専門である国語を早速解いてみました。出題の方法が変わっていたことに驚きましたが、無事に満点とれました。

2022年度 公立高校入試 国語 問題と解答 | カナロコ by 神奈川新聞 (kanaloco.jp)

 まず、問1ですが・・・ついに漢字の読みも選択問題になりました。問1の中に文法の識別問題がなくなっていました。その分、短歌の問題の配点が4点に変わっていました。「かなしみは」という主語をとらえ「ゆゑ」が「故(ゆえ)」という意味で理解できれば大きな勘違いをせずに解けそうです。古めかしい言い方に慣れているかどうかが問われています。

 問2が古文ではなくなっていて、文学になっていました。これにも驚きました。どの領域から解き始めるか自分の中の作戦が決まっていた人は一瞬戸惑うかもしれません。数年前によくあった「部活動シリーズ」が復活しました。高校の放送部の物語なので内容としては読みやすい作品であったと思います。しかし、まぁ本文が長い(読みやすいからまだいいけれど…)。本文だけで3ページ強。さすが全国トップレベルの文字数を誇る神奈川の入試です。

 問3は、説明的文章。「言葉の本質」をテーマに語られています。問1で消えた識別問題が、ここにきて挟まれていました。今年は「ない」の識別。これは3学年の定期テストに2度も出しました(よし、大当たり!)。解説を聞いていた生徒ならば「ぬ」への置き換えは問題なくできるはずです。同じような意味を持つ四字熟語を選ぶ問題がありました。語彙力が試される問題です。本文の内容は筆者の立場が分かりやすい文章になっていたものの、抽象的な概念を表す言葉も多くあったため難しく感じた生徒もいたことと思います。日本語学ではお馴染みの時枝のことにも触れる内容だったので個人的には楽しく読むことができました。書き抜き問題がなくなっており、すべて選択問題に変わっていた分、本文や選択肢の文言はやはり長めとなっていました。

 問4に古文がシフトしていました。出典は「十訓抄」ということで入試問題にしてはメジャーなものでした。坊さんシリーズで「僧位」がたくさん出てくるので登場人物を抑えていくのが難しく混乱してしまった人もいたと思います。「いつ・どこで・誰が・何をした」が捉えられれば高校入試はクリアできるのですが、主語に関わる「誰が」の部分が捉えられないと急に難易度は上がってしまうのです。これは、やや難しく感じたかもしれません。

 問5には資料の活用問題が登場です。わりとタイムリーなネタを入れてくる入試問題ですが「SDGs」関係で「サステナブルファッション」が話題になっていました。近年では「AI」のことが入試問題で取り上げられることもありました。消費者に求められることが前半に「不要なものを買わない(Dさんが述べています)」、後半に「手放すさいにも気を付けていこう(Aさんが空欄の直前に述べています)」とあるのでこれをつなげてしまえば指定の字数(三十字)は、ほぼ埋まります。本文だけでも完成させられますが、これで十分グラフの内容にもしっかりと触れています。

 これだけ選択問題が増えていくと3年間、学習してきたこととは一体…という気持ちになりますが正答の分布をみると上手い具合に1~4が分かれています。全部、同じ選択肢にする人はいないと思いますが、それで大当たりすることはありません。よく考えて作られています。ただ、仮に全部2を選ぶと28点とることができます。そう考えると一生懸命考えて28点以下の人がいた場合、適当に2だけにした人が上回るのが切ないです。最低ミスをふせぐための選択問題ですが、何か良い方法がないものかと考えてしまいます。

 平均点は高めにつくと予想。そのへんは塾の分析に任せます(笑)

作編曲者、指揮者としてブログをしていますが、珍しく本業の姿を見せてしまいました。自己採点の結果、中3の皆さんはいかがでしょうか?