kmd-windorchestra’s diary

吹奏楽指導者(JBA会員)、作編曲者、中学校教諭のブログ(吹奏楽指導、作編曲依頼はメールでご相談を)

新体制のバンド

 緊急事態宣言が解除されたり自民党の新総裁が選出されたりと日本各地でも色々と大きな節目を迎えていますが、本校吹奏楽部もこの10月から1、2年生だけの吹奏楽部がスタートしました。

 1年間の活動の中で3年生が抜けた直後がバンドとしては苦しい時期になります。10月は大会等がなくても平日の90分、休日の3時間練習が認められました。従来通り練習時間は確保できませんが、この中で成長していかなくてはなりません。

 今日は、一人ずつの音を個人チューニングしながら聴いてアドバイスをしました。時間はかかりますが、これが結局のところバンドの底上げにつながります。勉強と同じように楽器も個人で習熟度が違います。それぞれが抱えている課題も異なります。各自の音が今どういった状態なのかを指摘し、そのうえでどうやって克服していけばよいのか練習の方法も伝えました。たとえば管楽器であれば「ロングトーン」が基礎練習の要となりますが、その「ロングトーン」であっても個々の課題によって意思の仕方や練習の仕方は変わってきます。だから、個人練習のメニューや考え方は画一的なものではないのです。練習時間が限られているからこそ、生徒たちが自ら考えて練習する習慣をつけていければと思います。

 その後は、秋の風物詩であるアンサンブル練習です。金管アンサンブルの指導を20分程度行いました。ホルスト作曲の「第2組曲」から1楽章、3楽章を抜粋して演奏します。2拍子に慣れていないので、そこからのスタートです。打楽器アンサンブルは、30小節目くらいまでできあがったので、まずはその部分のみ練習を始めました。1つ打ち、2つ打ち、3つ打ちなど楽譜から最善の打法を見出していく作業からスタートしました。1年生の2拍3連もたった数十分の練習でしたが、感覚がよくコツを掴んでいる様子でした。まだ合わせはしていませんが、音を合わせるのが楽しみな打楽器アンサンブルです。

 その後は30分間程度、定期演奏会に向けたポップスの合奏です(アンパンマンのジャズアレンジ)。ポプコン全国大会に向けての合奏もしていかなければならない秋のシーズンですが、あえて違う曲を掘り下げてやっています。このアレンジは難易度が低めになっているのですが、アーティキュレーションやポップス奏法の基礎が徹底できていないと曲の良さがでないようになっています。音の跳躍や木管アルペジオなど基礎的な要素も多くあります。コンサート向けの曲でありながら、エチュード(練習曲)としての要素も強い曲になっています。合奏では、他の人と「合わせること」が重要になります。たとえば今日は「音の形」を取り上げました。四分音符1つでも個人の感覚や楽器の特性で不揃いになってしまいます。自分が思っている音価と全体としての音価には差があることを指摘しました。

 あっと言う間の午前練習でしたが、練習の質としては非常に良いスタートが切れたような気がします。あとは平日に自分たちで質の高い練習ができるかどうかというところがポイントですね。それができればこの10月はレベルアップの10月となることでしょう。