kmd-windorchestra’s diary

吹奏楽指導者(JBA会員)、作編曲者、中学校教諭のブログ(吹奏楽指導、作編曲依頼はメールでご相談を)

コロナ禍の音楽イベント

 他の地区よりも長めの夏休みもいよいよ最終日です。夏休みの宿題は終わったでしょうか。近隣の市や県立高校などは、分散登校やオンライン授業がすでに始まっているところもあります。本市の中学校は、明日から登校となります。今まで以上に感染対策を講じながらの教育活動になります。感染対策を強化しつつも教育活動を止めない方法の模索がこれからも続きそうです。日ごとに状態は変化するので生徒をはじめ、保護者の皆さまにも何かとご心配をおかけすることが多くなってしまうと思います。吹奏楽部の顧問としてできることもかなり限定されてしまいますが、子どもの成長のためにできる音楽イベントを工夫しながら続けていきたいと思います。

 音楽イベントといえば、29日に愛知県で開催された「NAMIMONOGATARI 2021」に批判が殺到しています。私は全然詳しくないのですが、ヒップホップ会では有名なイベントで出演者も豪華だったそうです。フェスの類は、身を寄せ合って騒ぐのが普通なのかもしれないですが、結果としてガイドラインを守らない状況でイベントを強行したことは主催者、出演者、観客に問題ありとしか言えません。主催者が謝罪コメントを出しています。この騒動を受けて、9月1日、2日に横浜で開催予定だった別のヒップホップのイベントは中止になったそうです。

お詫びと経緯のご説明 NAMIMONOGATARI2021 the next world story

 数年前、吹奏楽連盟でお仕事をしていたときに保護者のスマホがホールで鳴るという問題が毎年のように起きていました。大会実行委員会をしていたアンサンブルコンテストでは、休憩時間ごとに呼びかけをしました。もちろん、入場券やプログラムにも記載しています。記載したり、呼びかけたりしてもそうなってしまうことが続きました。運営サイドというものは「やったからいいでしょ」で終わるのではなく目の前で起きている事象に責任を持つ必要があります。役員の先生が声をかけたり、補助役員の高校生が何度も注意喚起をしたり、演奏中に音が鳴らないようにする努力を続けました。

 その際のアナウンスで印象的だった言葉があります。

「このコンクールは、出演者や吹奏楽連盟だけで作り上げるものではありません。聴衆の皆さんもコンクールを作り上げる1部なのです。どうか、ご協力をしていただけないでしょうか」

 このメッセージが、どれくらいの人に届いたかは分かりません。これでトラブルがゼロになったわけでもありません。でも、音楽イベントを成功させるには「出演者、主催者、観客」の3つが互いにできることをしあうことで成功するのです。コンクールではありませんが、私が顧問を務める吹奏楽部の定期演奏会のプログラムにも同じようなメッセージを載せるようにしています。

 今回、騒動となったフェスが愛知県でした。知事は、当然憤りを示していました。愛知県といえば、吹奏楽でいうところの現在の聖地です。吹奏楽ファンならご存知とは思いますが、全日本吹奏楽コンクール全国大会が開かれるのは愛知県です。ヒップホップ界をすべて悪く言うつもりはありません。でも、一部の大人たちが自己中心的な行動をしているのに関わらず、仮に吹奏楽の全国大会は開けませんという事態になったら子どもたちに何と説明すればいいのでしょうか。

 音楽イベントを行うことは本当に大変なことです。私自身も教育における音楽イベントは吹奏楽部顧問として推進してきていますが、日ごとに逆風の強さを感じます。どうやって対策を徹底すれば良いのか、少しでも生徒やその保護者に安心してもらえるにはどうしたらいいのか、日々模索中です・・・。新学期が始まれば、また新たな問題にも直面することになると思いますが、頑張っていこうと思います。