kmd-windorchestra’s diary

吹奏楽指導者(JBA会員)、作編曲者、中学校教諭のブログ(吹奏楽指導、作編曲依頼はメールでご相談を)

校則論議

「ツーブロック」禁止7割・下着の色指定5割…千葉市立中高の校則(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース

 

 教員になってから何故か生徒指導に関わる校務分掌のグループに属している期間が長いです。まだ大した教員歴ではありませんが、半分が生徒指導絡みの担当をしています(ちなみに今年は違います)。

 上記にあるような「校則」に関する様々な意見は以前から話題にあがることがありましたが、コロナ禍で改めて話題になる機会が多くなったと思います。俗に言う「ブラック校則」が人権侵害にあたるのではないかという問題です。

 よく話題にあがるのが、髪型でいうところの「ツーブロック」です。実際に本校も禁止されています。年代の差や地域差がある問題の1つです。ネット上でも発言されている方がいますが、現場の教職員でも認める意見と禁止する意見に分かれるところです。別に今ここで自分の意見を主張するつもりはありませんが、「例年通り」というふうに何事も流してしまうのは組織として社会として成長がないので見直しの議論をすること自体は活性化につながると思います。そのうえで禁止ならば、説得力も出てきます。

 それから髪の毛の色です。もともと黒でない人が黒髪を要求されているというのが多様性の社会と相反する状況にあるとの指摘です。先ほどのツーブロックの件もそうですが、学校間の「接続」に問題があると思います。当然、高校で禁止されているものを中学校でOKとするわけにもいきませんし、送り出す側としては入試もあります。おそらく小学校も中学校に対して同じような感覚があるのではないでしょうか。次の学校への配慮があるため、染髪そのものから接続先への配慮というように論点が少しずれてしまっているようにも感じます。

 そして何かと人権問題としてあげられるのが下着の色指定問題です。ニュースにあがっているように華美なものは控えるというのが多くの学校の現状だと思います。服装規定については、コロナ禍で換気をすることから夏冬ともにより柔軟に対応していこうという動きが全国が進んだのではないでしょうか。また、スカートやスラックス選択制については性的マイノリティの認知度が上昇したこともあり本市でも選択できるようになりました。下着問題こそ柔軟に対応すべき問題で校則で縛るものではなく、本来は家庭の良識に任せるべき範疇だと思っています。

 校則とは関係ありませんが、学校には古き伝統のようなものが残っていることが多いです。先日の会議である取り組みの見直しを進言しました(言いたいことは言うタイプです)。それは、私が中学生時代から続いていることなので自分自身それが普通になっていましたが、コロナ禍でふと生活様式を見直したときに疑問に思ったのです。声にしてみたら意外と同じ意見の先生方もいらっしゃいました。

 校則そのものはあっていいと思いますし、安心・安全の学校を作る上でもルールは必要です。法律もそうですが、規則というものは所詮、人間が作ったものです。人間が完全でないから規則も完全であるはずがありません。だからこそ完全でない人間が知恵を出し合って時代や社会情勢、グローバルスタンダードに照らして吟味していく必要があるのだと思います。