kmd-windorchestra’s diary

吹奏楽指導者(JBA会員)、作編曲者、中学校教諭のブログ(吹奏楽指導、作編曲依頼はメールでご相談を)

テトリズムⅣを作成中

 下半期のお決まりは、「テトリズム」シリーズの作曲になります。自分は続編をあまり作るつもりなくて…ただ吹奏楽部の顧問勢のリクエスト(悪くいえば圧力)があるわけです(笑)。テトリズムⅡを作った時点で打ち止めるつもりでした。アルメニアン・ダンスだってパートⅡまでだし。あの場合のⅡというのは全く意味合いが違うのですけどね。「テトラ」+「リズム」ということで4種のリズムパターンで構成されている曲になっているせいか、顧問の中ではⅣまでは書くだろうということになっています。

 シリーズものを作ると自分の中で前作を上回るクオリティーを意識しなければならないのに、アイデア欠乏によって苦しむわけです。去年のテトリズムⅢ(先月、初演させていただきました)は、生み出すのに苦しみました。いろんな曲のエッセンスを組み込みまくっていけば簡単に仕上がると思っていたのですが、かえって他の作品を組み込むほうが作る上では大変になってしまいました。反省・・・。

 

 ということで、「テトリズム」シリーズの最後である「テトリズムⅣ」は今までの反省をいかした集大成になります。まだ完成までは程遠いが・・・。今作はⅢの反省を生かして他の曲のモチーフなどは一切いれません。オールオリジナルモチーフで行きます。ⅠとⅡの反省を生かして1つのモチーフを展開させて4つの場面に登場させます。だけど、どんなリズムにもあうメロディーが思い浮かばないのでスケール練習のような単純なモチーフ(ドレミファソ~ソファミレド)を主題に設定して使いまわします。

 あと最後の場面をスペイン風にしたいと思っています。「ロック」「ディスコ」「サンバ」というテイストで今まできているので、今までとの違いを出すためにもチャレンジしたことないテイストでいこうと思います。

 

 スペインらしさ?といえば、この曲。

https://www.brain-shop.net/shop/g/gYDOA-A24/


エスティロ・デ・エスパーニャ・ポル・ケ? 青木中学校吹奏楽部

 

 それから「ラテンファンタジー」の副題をもつ「王道」

youtu.be

 

やっぱり「宝島」

 本日、放映された「題名のない音楽会」では7名編成の小編成吹奏楽「ブリーズバンド」が提案されていました。コロナによって大編成の演奏に対して制約があるからこそ小編成吹奏楽が見直されています。その新しい形が「ブリーズバンド」とのこと。ちょうど吹奏楽界はアンコンシーズンでもありますからタイムリーだったかもしれませんね。

www.tv-asahi.co.jp

 こういった取り組みの陰には優れた編曲家の存在が必要となります。大流行中の「紅蓮華」、吹奏楽で定番の「宝島」、超絶技巧でお馴染みの「チャールダーシュ」の3曲が演奏されました。今回は、なんとそのアレンジ譜を番組HPで無料公開してくれるとのことです。26日15時以降からPCよりダウンロードできるそうです。中高生向けにと番組では紹介されていましたが、難易度は高く上級者向けであるように感じました。

 またNHKで放映された「沼にハマってきいてみた」も吹奏楽特集(特別企画の拡大版)でした。全国6校の高校吹奏楽にスポットをあてていました。コロナ禍において各校で新しい取り組み挑戦してたり、工夫をしながら活動をしていたり、さらにはぶつかりあったりと吹奏楽の今を伝える番組となっていました。

www.nhk.or.jp

 幕総のミュージカルを取り入れた演奏会の模様は感動的でした。大阪桐蔭のミュージカルは吹奏楽ファンの中でも有名ですが、幕総も本当に素晴らしい取り組みをされています。人間として大きく成長できる部活は素晴らしいの一言に尽きます。

 最後にリモート演奏が紹介されましたが、そこでも「宝島」が演奏されていました。合奏する喜びを感じることのできる曲なのだと思います。今日、本校の練習の最後も「宝島」でした。12月の演奏会では、卒業生などを含めて大合奏予定です。

KMDとレミゼ

 今日は1番大好きなミュージカル「レ・ミゼラブル」について少々語ります。恥ずかしながらミュージカルとしての「レミゼ」を知ったのは2012年公開の映画がきっかけでした。それまでは、ミュージカルとしての「レミゼ」は観たことがなく、劇中のいくつかの曲を知っている程度でした。原作の「レミゼ(あゝ無情)」は誰の訳本かは忘れましたが、読んだことはありました。よくある外国文学の1つとしてしか捉えていなかった自分に腹が立つわけです。

 もし10代の自分にメッセージを送れるのなら、意味は分からずともレミゼを観に行くように言いたいです。それだけ私にとっては電撃が迸る衝撃的なミュージカルです。ちなみに中高生の頃は「ウエスト・サイド・ストーリー」にドハマりしていました。

 先日、姉がPCを買いたいから買い物に付き合ってほしいと連絡してきたので車を走らせ遠くまで買い物に行きました。その車中で「レミゼ」の「エピローグ」を聴いて1人で号泣・・・(1994年日本公演のライブ盤)。映画だと以下のシーンです。


Les Misérables (2012) - Epilogue Scene (10/10) | Movieclips

 私が好きなこのライブ盤のコゼット(宮本裕子さん)とジャンバルジャン鹿賀丈史さん)の別れの場面は泣きながら歌っており、こんな演技されたら泣いてしまうわけです。「エピローグ」では、至極の失恋歌「オン・マイ・オウン」の旋律が用いられます。それも号泣ポイント。エポニーヌのキャラクターソングとして捉えられてしまいがちですが、ジャンバルジャンの死の場面でも使われるところが素晴らしい曲設定だと思います。ジャンバルジャンが息を引き取るとすでに死の世界にいるファンテーヌやエポニーヌが歌に加わります。その歌声が妙に神聖な雰囲気で聴こえるのです。映画版だとそこが少し異なっています。

 吹奏楽版の「レミゼ」といえば、2013年のコンクールです。伊奈学園が森田先生の編曲、春日部共栄が福島先生の編曲でともに全国大会で演奏しました。

 森田先生の編曲は、委嘱した伊奈学園の宇畑先生がカットを考案されたということですが、非常にレミゼを熟知したセレクションになっていると思います。最後の2曲は「オン・マイ・オウン」「民衆の歌」となっていますが、ミュージカルを観た人ならこれは「エピローグ」の構成であると気づくことができるでしょう。大阪桐蔭などがよく演奏しているウォーレン・バーカーが編曲したセレクションも同じように最後の2曲を設定していますが、つなぎ方は森田先生の編曲のほうが「エピローグ」らしさがあってファンにとっては嬉しい構成です。

 福島先生の編曲は、革命前日に各登場人物のテーマが入り乱れる「ワン・デイ・モア」をクライマックスにい持ってきています。同時に複数の旋律が歌われる原曲を見事にごちゃごちゃしないオーケストレーションでまとめています。

 以下、森田先生の編曲とバーカーの編曲。


ミュージカル「レ・ミゼラブル」より《吹奏楽》/シェーンベルク(森田一浩) /演奏:陸上自衛隊中央音楽隊/指揮:武田晃1等陸佐/吹奏楽作品COMS-85071【フル音源】

 


「レ・ミゼラブル」よりセレクション/Selections From Les Miserables

 ミュージカルは、「総合芸術」だと思っています。オケによる音楽、ミュージカル俳優による歌、コーラス、ダンス、演技。それを引き立てる大道具、小道具、衣装、照明。原作、脚本、字幕などあらゆる分野が1つのステージを作り上げる奇跡だと思うのです。ミュージカル公演の入場料は割高に感じるかもしれませんが、それだけ人のエネルギーがつまっています。最近はミュージカル俳優(歌手)がテレビの音楽番組に出る機会も増えてきています。私は、もっと早くミュージックの世界に触れたかったですが、そのぶん今の若い世代にミュージックの素晴らしさを伝える機会があれば伝えています。

 12月に開催予定の本校吹奏楽部の定期演奏会では、プログラムの最後に「レ・ミゼラブル」を演奏します。今回の演奏会のために私自らの手で編曲しました。以前のブログでも紹介しましたが、海外権利元で審査を受けて認められた「小編成吹奏楽版」になります。名作から5曲を悩んでセレクトしていますが、やはり「エピローグ」を意識した「オン・マイ・オウン」から「民衆の歌」というクライマックスになっています。まだ、練習で音は出していませんが、大のレミゼファンが編曲と指揮をします。壮大な「レ・ミゼラブル」の世界観を出していければと思っています。

 今日のブログの字数が1900字を超えたので今日はこのあたりで語りをやめておきましょう・・・。最後に日本国内のフラッシュモブを貼っておきます。


『Les Misérables』Flash Mob【ONE DAY MORE】『レ・ミゼラブル』2015年公演キャストによるフラッシュモブ映像


「レ・ミゼラブル」ブルーレイ&DVD発売記念 フラッシュモブ・イベント公式完全版

最先端技術の作曲?

ニュースで見たのですが、興味深い先端技術が紹介されていました。

 芸大が開発した「AIベートーベン」は人間の表情を読み取り、その表情から曲を作るというものです。2000曲くらいをサンプリングしているそうです。

 これを今後、あらゆるジャンルの曲をディープラーニングさせればある程度の商業音楽やBGMなんかはAIが作ってしまうのかもしれません。作曲というクリエイティブな仕事は人工知能に取って代わることはできないと思っていましたが、「ある程度」の水準でいえばAIにも可能になってくるのだと思います。

 

www.ceatec.com

ソロコンテスト申し込み

 日曜日は貴重な「お休み」でございます。とはいえ、所用で学校には足を運んでしまうので結局、職場に行かない日はないわけです…。でも今日は思いがけず睡眠時間をこれでもか、というくらいとりました。体が重たくなるような疲れはないのですが、これだけ眠れるということは心身ともに休息を欲しているのかもしれません。やりたいことがあったわけですが、自然の摂理に身を任せていく休日も大切なのかもしれません。

 秋はアンコンシーズンでございますが、本校は同時にソロコンテストにも挑戦しているメンバーがおります。昨日はオンライン上で開催されるソロコンテスト用に動画の撮影に追われていました。思った以上に時間がかかり、わがスマホの充電がほとんどなくなるくらいでした。その動画をPCに取り込み形式を整えて応募の手続きを行いました。動画ファイルで送るものとYoutube上にアップロードしてURLを送るタイプとコンテストによって仕様が異なっています。

 ソロコンテストに限らず録音審査や録画審査の場合はどうしても収録環境の差や編集加工技術、奏者代替問題など運営サイドの難しさが出てきます。公平性を保つのも大事ですが、もう少し手続きがしやすくなればと感じてしまいます。ここでいう手続きのしやすさというのは、パソコンの操作が難しいということではありません。申し込みフォームの捉え方が現場と少し離れているように感じるということです。

 特に中学生部門の場合、演奏者である中学生本人が申し込みをするパターンというのはあまりないのではないでしょうか。顧問や保護者が申し込むパターンが出てくると思います。吹奏楽部に所属していなくてもエントリーできる良さがある一方で部活動としてエントリーしている場合は顧問が申し込むことになります。そういった窓口(エントリー)の入り口があってもいいのではと感じます。

 コロナ禍で始まったコンテスト。中高生に発表の場を尽力してくださった方々には感謝です。第1回大会ということで、この先どのように展開されるか楽しみでもあります。

 

 先週、マニアックで濃い対談を見つけました。吹奏楽マニアなのでこういったものは楽しく感じてしまいます。「ぐるりよざ」は「祭り」のみですが、高校1年生のときに演奏したことがあります。

 


「大井剛史のTalk Live!」第3回ゲスト:伊藤康英(無料配信)

秋になりました アンコンの季節

 何かと本業が忙しく更新が滞っていました…。とはいえ音楽生活としてはそれなりに充実しており合間を縫って曲を書いています。12月の定期演奏会で演奏する曲も週末には形にしたいと思っているところです。

 さて、来月のアンコンでは、作曲1曲と編曲1曲をそれぞれ本校のチームが演奏する予定です。編曲作品は昨年取り上げたバルトークの「ミクロコスモス」です。ただし、昨年と編成が違うのと取り上げている番号(楽章?)が異なります。とはいえ、今日の練習でも感じたことですが、バルトークらしい音がするのです。「らしさ」が出てくるのは、あたりまえですが原曲のピアノよりも色濃く感じた気がしました。管楽6重奏(私は、あえて「ごちゃ混ぜアンサンブル」と呼んでいます…)で挑むので楽器の構造や音の立ち上がり方が違うのでそういった意味では難しい曲になります。大変よく書かれている混合アンサンブルは、出すところは出して引くところは引くような、そして楽器の特性をいかした役割を与えます。今回の「ミクロコスモス」で選んだ曲の多くが右手と左手が同じ動きをする部分が多くなっています。6人が全員で同じリズムを刻むとなるとやはり同属楽器のほうがまとまりやすいわけです。そこを異種楽器で合わせるには自分勝手に演奏するわけにはいきません。その不利な傾向こそが今回の教育的目標であります。違う楽器で演奏しているのに1つの動きとして一糸乱れず演奏できる技術が身につけばバンドにとってかなりの強みとなります。

 

 同属楽器ではないアンサンブル曲

大好きな天野先生の「沢地萃」です。

こむすびWind Ensemble 2020年3月13日 箕面市立メイプルホール


【アンサンブル】管打八重奏 沢地萃/天野正道 こむすびWind Ensemble

美しいアンサンブルをネットで鑑賞

 本校は、めちゃモテ!ソロ動画コンテスト2020で「G線上のアリア」をやるのですが、管楽器でいい参考音源ないかなと探していたら素晴らしい演奏を発見しました。

 


The Rev Saxophone Quartet / G線上のアリア(J.S.Bach)

 

 アンサンブルついでに好きなアンサンブル曲を貼っていきます。


兵庫芸術文化センター管弦楽団金管「金管8重奏のための文明開化の鐘」

 


クラリネット・ファイブ(白川毅夫)

https://youtu.be/q1scgPhwtVM


【サックスカルテット】レ・ミゼラブル ハイライト - Les Misérables - Pash Saxophone Quartet

管楽合奏コンテスト2020 予選結果(速報)

 10月2日(金)までに非公開の予選審査が行われました。さきほどネット上に審査結果が発表されました。まだアクセスが混雑しているのか、なかなか見れない状態にあるかと思います。

 残念ながら本校は予選落ちとなってしまいましたが・・・

というより中A部門では神奈川勢は1校もいけずという結果ですね。

 

しかしながら、よく知る先生が顧問をされている

 

綾瀬市立城山中学校吹奏楽部がS部門

海老名市立海老名中学校がB部門

 

で出場が決定されました。

今年はビデオ収録による大会となってしまいますが、とてもめでたいことです。

 

https://www.jmecps.or.jp/pdf/26thwoecdantai.pdf

 

 

こうち総文 座間高校

 今年ならでは高校の総合文化祭の映像がアップロードされていたことに少し遅れて気づきました。以前にも「こうち総文」の話題は当ブログでも取り上げました。

 神奈川県立座間高等学校は、同じ地区ないに位置する高校で前任校や本校からも進学する生徒が何名かいる学校です。吹奏楽部の部員数が減る中で座間高校は吹奏楽部が盛んに行われており、補助役員でも力を発揮してくれていた学校でもあります。

 コロナ禍で地区内の高校の演奏に触れる機会ですら今年は貴重です。ぜひご覧ください。

https://www.websoubun.com/dept/wind/page/010.html


神奈川県立座間高等学校吹奏楽部 2020こうち総文 歌劇「ヘンゼルとグレーテル」より第2幕「夕べの祈り~パントマイム」

 


神奈川県立座間高等学校吹奏楽部 2020こうち総文 魔法にかけられて

ハイパーサックスプレイヤーのfinale活動事例

 クラブフィナーレ「フィナーレ活用事例」の第8回が大好きなサックス奏者の本田雅人さんへの取材となっています。

https://www.finalemusic.jp/clubfinale/know/masato.honda.php?ui_medium=email&ui_source=finalemailnews&ui_campaign=20200930

 

 今年上半期は、本田さんのライブ配信を楽しみにしていました。最近は徐々に忙しくなったせいかライブ配信がありません。演奏ももちろん、トークも抜群に面白くためになるので次なる配信を首を長くして待っています。